返納ではないのですが、
乗用車の運転を諦めてもらいました。
母のことです。
母は軽度の認知症で、記憶障害が顕著です。
ADLは自立していますが、同居中の重度認知症の父のお世話は
大分難しくなっており、スケジュール管理はもはや介助がいるレベルです。
10/15は母の78歳の誕生日でした。
この日に、知り合いの車屋さんが、母のマイカーを下取りに出すため
引取りに来ました。
免許証はもう1か月後の11/15まで有効ですが、
マイカーを引き取った時点で実質、返納と同じです。
もう車の運転はさせません。
母は大変さみしそうであり、車がない生活の不便さをくどき続け、
そのくせ、自身の運転における危うさや、それを心配する息子世帯
すなわち私の思いも理解しているようでもあり、
ホッとする一方で、こちらとしても切なさが残るやりとりでした。
車の運転をしない生活の提案は、実に1年以上前に遡り、
担当CMさんと一緒に、徐々に説得し、何かのタイミングで
実行に踏み切ろうとしたものでした。
最終の手続きは、我ながら鬼のようでした。
母の不便さと不安感をねこそぎ無視して強引に説き伏せて
コトを進めました。
正直、まだ運転は出来ると思います。
けれど、いつ危うさが高まるかわからない状況でもあり、
バスに乗車できたり、タクシーを呼べたりできる今の能力があるうちに
自身による運転を止めさせた方が良いという論理で、
相互納得するようにしました。
この判断がどうでるのでしょうか。
行動範囲・生活範囲が狭まるのは確実。
認知症の悪化に直結することも考えられる。
介護とは親の生活を決めていく判断でもあるのだと。
そのことの怖さを実感するこの頃です。