スタンダード(標準的な)車椅子に求める機能ってなんだろう。
「車」であり「椅子」であるわけだから。
と。普段からわりと難しくややこしいことを考えています。
この度。隣県のメーカーであり卸でありショップでもあるケア・システムの山場氏より
もはや、ソウルパートナーとでも呼んだほうがいいか!と思える
車椅子の提案があり、ここに書くに及んでいます。
一私見です。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=705x10000:format=jpg/path/sd1356734cf7bc8e1/image/i80cf6e27ed34a9c8/version/1571453685/image.jpg)
「車」の部分については、
自走式であれば、「こぎやすさ」が一定以上である必要性を感じます。
「こぎやすさ」に求めたい機能は何かと言うと
案外たくさんありまして、
・性能の良い、外でも中でも使いやすい万能タイヤ
・手が滑りにくく、嫌な感じがしないハンドリム
・こぐときにフレームのゆがみがない、剛性
・足駆動でフレームが足に緩衝しにくい設計
・直進安定性と操舵の機敏さ
などが思いつきます。
いずれも、今、一般的にスタンダード車椅子と言われている機種に備わっているかというと
うーーん。てな感じですね。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=705x10000:format=jpg/path/sd1356734cf7bc8e1/image/i6c23d415f950ca76/version/1571454479/image.jpg)
「椅子」部分についてです。
スタンダードなという言葉に、「誰もが初めて乗る車椅子」という意味を
勝手に込めさせていただいて、という前提としますが(回りくどいw)
「こぎやすい」姿勢を維持しやすいフレーム構造・角度
具体的には前座高―後座高差が少しあり、背もたれの接触面積をしっかり
とれる状態でありつつ、前傾姿勢へのチェンジもしやすい。
お尻の前ずれが起きにくい構造でもあり、そのためのもう1点として
フット・レッグサポートが垂直落としになっていること。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=10000x528:format=jpg:rotate=90/path/sd1356734cf7bc8e1/image/id1133b495afed8ab/version/1571455019/image.jpg)
そして、何よりカッコいいこと。
自分の移動手段・脚代わりとして、
お気に入りの衣服を着るような感覚でいられること。
ここ大事。
写真で見せている車椅子は、
両下半身まひの方用の車椅子であり、スタンダードではないだろ!
と思われる方が多いかもしれませんが、
それは先入観です。
フットサポートは左右独立の跳ね上げになっているし、
ブレーキ延長レバーを片側につけてある点なんて、
むしろ片麻痺者仕様です。
経験上、高齢者でこのようなデザインの車椅子に乗車してもらうと、
バックサポートの高さが足りず不安、という声がよく聴かれました。
逆に言えばそこだけなのです。
写真の車椅子は、バックサポートの高さ調節ができるのです!
個人的なセンスとしては、バックサポートを高くすると、
見た目のカッコよさは落ちます。
しかしながら、トータルデザインとして、
従来からスタンダード車椅子と言われているものと比べてどうでしょう?
私ならばこちらをチョイスしますね。
最初に乗る車椅子はアクティブ仕様を。
その方が、後に全身が衰えた時の、体の状態が変わるはずです。
例えば、円背になりにくい。脊柱のねじれが起きにくい。足底に荷重する癖がいい感じで残り、移乗動作がしやすい。などなど期待できます。
山場氏は、本機種を介護保険レンタルにのせていく予定です。
ぜひ応援したい。